 ドイツ文学者で映画研究で知られる明治大学の瀬川裕司教授に2003年フィリップ・フランツ・フォン・ジーボルト賞が授与される。賞金5万ユーロを伴うこの賞はドイツ連邦共和国が日本人研究者に授与する最も栄誉ある賞として知られている。ベルリンにおけるアレクサンダー・フォン・フンボルト財団の年次総会の場で2003年6月27日、ヨハネス・ラウ連邦大統領により賞状が授与される。副賞として受賞者はドイツの研究機関における一年間の研究滞在の機会が与えられるが、瀬川教授は2004年4月よりベルリン自由大学演劇学研究所において研究に従事する予定である。
瀬川教授は長年にわたりドイツ映画を研究、数多くの論文・著書を執筆している。最近ではレーニ・リーフェンシュタールの映画製作に関する研究書により、卓越した文化・芸術的活動を表彰するために設けられた「芸術選奨」評論部門において日本の文部科学大臣新人賞を受けている。また、同教授は重要な著書の一つにおいてニュー・ジャーマン・シネマをテーマとしており、同書は今日、日本におけるその分野での必読図書となっている。映画専門雑誌「カイエ・デュ・シネマ・ジャポン」編集代表としても同教授は、ドイツの映画文化を日本に紹介することに常に心を砕いた。さらに映画分野に関するドイツ語の書籍を日本語に翻訳、その数は7冊に及び、いずれも日本の各紙書評欄で大変高い評価を得ている。東京ドイツ文化センターが主催する映画に関する諸行事にも幾度も多大な協力を行なってきている。
毎年授与されるフィリップ・フランツ・フォン・ジーボルト賞は、創設以来20年以上を数え、日独文化・科学協力において確固たる地位を得ている。同賞は日独両国の相互理解を向上に向けて見られた多大な功績を顕彰するものである。受賞者は自ら選んだテーマをドイツの研究者と共同で研究するドイツ研究滞在に招待される。受賞者には5万ユーロの賞金が与えられる。受賞者の決定は日独両国の委員からなる審査委員会が東京において行なう。受賞者の人々への支援・賞の管理はアレクサンダー・フォン・フンボルト財団に委ねられている。 |