ラウンドテーブル会議「生命倫理とバイオテクノロジー −いま何が問われているか」におけるシュミーゲロー大使の挨拶
2003年6月2日
主催:在日ドイツ連邦共和国大使館、在日フランス大使館、ベルリン日独センター、国連大学高等研究所 |
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ザクリ教授
井村先生
ご臨席の皆様
この度、本会議への招待状をご覧になられた時に、なぜ主催者がこのような組み合わせになり、なぜ他でもない日本で開催されるのかとの疑問をもたれた方も多いと存じます。
それは、共通の関心が存在したからです。
まず第一に、2000年のヒトのクローン実験をマスコミが初めて報道した際、G8イニシアティブにおいてヒトクロ−ンの世界的禁止を支持したのが日本政府でした。フランスとドイツは、翌年、これを更に進めて国連のイニシアティブとしたのです。これにより、フランス、ドイツ、そして日本は先導的な役割を果たしたのであり、一貫してこの方針を押し進めていく責務を担っているのです。
日独仏三ケ国を結ぶ第二の共通項は、この分野における科学技術研究水準の先進的な高さであります。これは、将来の様々な選択肢の形成に影響を与える一因となるのみならず、我々に特別な責任をも課すものであります。必要な科学知識が直接得られることにより、我々は遺伝子技術研究の可能性と問題についても極めて早い段階で判断を下すことができるのです。
更に、日独仏三ケ国はともに、ヒトクローン禁止のみならず受精胚と幹細胞の責任ある取り扱いにおいても、指針となる法的枠組みを既に作成しております。その一例として、ドイツ連邦議会は再生クローンを含むあらゆる形態のクローンへの反対を明確に表明しております。
しかし、国内規制だけでは、この問題を解決することはできません。自由な移動が可能な今日の世界においては、研究活動を他国に移すことが容易であるからです。
そのため国際的に拘束力を持つ基準が必要なのです。
しかしこの基準作りは、これに関心を抱く全ての国の政治家、研究者そして社会の協力を得て初めて可能となるのです。
これは、正に外交にとっても格別に重い課題であります。
前述した独仏イニシアティブが、先の国連総会の場で、再生クローン反対協定に向けた十分なコンセンサスを未だに得ていないことは、こうした努力の持つ複雑さを物語っております。そのため、我々は次期討議期間内に新たな打開案を提出するものであります。
時間は切迫しております。と申しますのも、研究の進歩が実現可能な領域を絶えず拡大しているからです。
最後になりましたが、本会議の準備をしていただきました皆様に心より御礼申し上げます。ここ東京におきましては、本会議を初めとする様々な行事に当たり、独仏大使館が協力することはもはや既に伝統となっております。ですから、今回は国連大学とベルリン日独センターとの協力が成功裡に行われましたことを殊に強調させていただきたく存じます。ベルリン日独センターは、科学、文化、経済の分野において日独及び国際協力を促進する画期的な機関であります。同センターは、最近、法学、政治、経済の分野で数多くの行事を開催いたしました。その際、日独二国間のみならず、欧州規模での日本との協力が大きく注目されております。その一例となるのが、同センターが独日青少年交流事業で、欧州の学生の日本留学を企画・実施していることです。同センターの所在地はベルリンでありますが、その業務の性格から、日本におきましても、各種行事を通じてその存在が益々大きくなっております。この意味では、国連大学は理想的なパートナーと考えます。
本日の討議で様々な成果が挙げられますことを期待し、併せて本会議が多大な成功を収められますよう、願っております。
ご清聴ありがとうございました。
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